こんにちは、ユニット6の後藤です。
先日、このBlogでBIMデータの概要や、リアルタイムレンダリングへの応用例をご紹介させていただきました。
BIMデータ活用のご提案 ~ビジュアライゼーション・インタラクティブ・VR~
今回は、BIMデータをゲームエンジンで使用するにあたって必要となるツールや、それらの現状など、より具体的な内容をご紹介したいと思います。
BIMデータをゲームエンジンで読み込むことでできるようになること
以前の記事でもご紹介しましたが、ゲームエンジンでBIMデータを読み込むことで、インタラクティブな要素を追加することができるようになります。ゲームエンジンはリアルタイムでオブジェクトを描画しているということが大きな特徴なので、製品の種類や色を変えるといった、体験者の操作内容が反映されるインタラクティブな要素と相性がよいです。体験者の位置で視点が変わるARやHoloLensといったデバイスへの書き出しにも適しています。
Unreal Engine でBIMデータを扱う方法
Unreal EngineでBIMデータを扱うためには、下記のツールをインストールする必要があります。
・Unreal Studio
・BIMツール(RevitやArchiCad)のエクスポート用プラグイン
Unreal Studioとは、工業メーカーや建築業界向けに特化した特別仕様のUnreal Engineのことで、Datasmith(後述)やオンラインラーニング、高品質なマテリアルなどをセットで提供しているサービスの名称になります。Unreal Engineを制作しているEpic Games社による公式のサービスです。Datasmithとはインポーターのことで、CADデータやBIMデータなど、工業メーカーや建築業界でよく使われる形式の3Dデータを、Unreal Engineで読み込めるようにするためのツールです。これまで、ゲームエンジンではそれらのデータをそのまま読み込むことができなかったため、個別のパーツごとにエクスポート、インポートしたうえで、素材感やライティングをエンジン上で再現する必要があり、非常に多くの手間が掛かっていました。
Unreal Studio は2019年9月まで無償のベータ版として公開されています。
UnityでBIMデータを扱う方法
一方、Unityについてですが、こちらはプラグインを導入することで、BIMデータを扱うことができるようになります。各社からプラグインが出ているので、代表的なものを下にまとめました。
プラグイン名 | 企業名 | URL |
Unity BIM Importer | Unity Technologies Japan | http://bimimporter.unity3d.jp/ |
Tridify BIM Tools | Tridify Ltd. | https://www.tridify.com/ |
PiXYZ Plugin for Unity | PiXYZ SOFTWARE | https://www.pixyz-software.com/ |
いずれも商用利用は有料で、年間の費用が発生するので、金額については問い合わせる必要があります。
まとめ
もともとはゲーム制作用のソフトウェアとして開発されたゲームエンジンですが、VR、ARなどのデバイスが登場したことで、非ゲーム分野での活用が広がっています。それにともない、Unreal Engine、Unityともに、CADデータ等、以前は扱っていなかったデータへの対応が進んでいます。一方、建築や工業メーカー等の業界でもデータ化が進んでおり、多くの情報をデジタルで扱うようになってきています。そこで集まったデジタル情報をどのように活用していくかがこれからは重要になってくると思います。