こんにちは!カタログ・広告のご担当者さま向けに、ちょっとした豆知識や小話をお送りしている“いろのいろいろな話”、今回は3回目となりました。「RGBとCMYKの違いって!?」、「“いろ”の見え方の違いって!?」
もあわせてご覧いただけたらうれしいです。
365日24時間、同じいろは存在しない?!
さて、まずは下記の画像を見ていただきましょう。
これらの画像はすべて同じ場所を写したものです(弊社3階です)。朝・夕方・夜で、観葉植物の葉の色が違うのがお分かりいただけたでしょうか。
同じ場所にある同じ葉っぱでも、環境(条件)が違えばこれだけ色が変わってくるのです。
以前のブログ記事で、「色とは光を感知した脳の反応」という話をさせていただきましたが、今回は時間帯による光(太陽光)の影響を主な条件の違いとして、分かりやすく表してみました。
そんなの当たり前だよと思われるかもしれませんが、これは3点同じ対象物を同じような構図で撮ったものを並べて比較しているから分かりやすくなっているのです。それぞれを1枚ずつ見た時(特に朝・夕方は)、その差異を見出すことはなかなか難しいと思います。
これにより何がお伝えできるかと言いますと、「条件によって色はいくらでも変化する(変化して見える)」ということです。けれど、この3枚ともに「この葉の本物の色」には違いありません。
人間の目はダマされやすい!
意外と人間の目や脳はダマされやすいものだってこと、ご存知でしょうか。トリックアート(騙し絵)なども目の錯覚を利用したものですが、日常のさまざまなシーンで錯覚を起こしている可能性があるのです。
「明度対比」
四角の真ん中にある円の色、右の灰色の方が明るく見えますが、じつは同じ色です。
このように、周りの色の影響を受けて、色の明度が本来より明るく、あるいは暗く見えたりする現象を「明度対比」と言います。
「彩度対比」
こちらも上記と同じで、右の真ん中の円の方が、左の円よりも鮮やかに見えませんか?
円の中の色は両方同じ、左の四角(円の背景)は円よりも彩度が高く、右の四角は彩度が低くなっています。
このように、周りの色に影響されて、色の彩度が高く、あるいは低く見えたりする現象を「彩度対比」と言います。
このほかにも色相対比、補色対比、縁辺対比など、人間の目に錯覚をうながす現象がいくつもあります。
まとめ
商品カタログの色校正紙をご覧になった時に、なんだか色味が違って見えるな~ということがあるかと思います。そんなときは、周りの色の影響、印刷の裏映りなどによる錯覚も疑ってみたほうがよいかもしれません。
「本物に近い色」を追求するのか、その紙面上での「印象」を優先するのか、ケースバイケースだとは思いますが……それらも含めて、納得のいく紙面にできたら最高ですね!
そして改めて、シアン・マゼンタ・イエロー・スミ(ブラック)というたった4色のインクの掛け合わせで、明るい朝日の当たる葉っぱの色も、茜色の夕日に照らされる葉っぱの色も紙の上に表現することができるカラー印刷の世界は奥深いなあと、色校正紙を見る度に思うのでした。