こんにちは!
デザイン部門所属の川島です。
さて、前回は甘栗を売るために、お客さんを近くまで引き寄せるための工夫までをお話ししました。今回は、お客さんが近づいてきた後の対応についてご紹介します。
まず、お客さんが近寄ってきたら、笑顔で優しく「食べてみます?」と言いながら、甘栗を片手で割って一粒プレゼントします。殻をむいた状態で試食を用意している販売員も多かったですが、殻をむくのが面倒と思っている人も大勢いるので、片手で簡単に外してあげることも商品価値を高める大きなパフォーマンスとなります。
美味しさを感じていただけたら、お客さんの気持ちは温かくなり、ご購入いただけるのであとは楽しげに会話をしながら、ゆっくりと甘栗を袋に詰めて売っていきます。
ここで大切なのは「楽しげに」と「ゆっくりと」です。この2つを行うことで、次に前を通る人に声をかけずとも、その場所で行われている「楽しげな雰囲気」を長時間訴求することができます。すると、楽しそうな雰囲気と甘い香りで「心の隙間」を少し埋めたいという方が、次から次へと集まってくるのです。
この方法は、店舗でなくても活用できます。実際、この方法で九州の佐賀県で毎年開催される「バルーンフェスタ」では、一袋500円の甘栗を60万円、福岡ドームのイベントでは200万円売り上げたこともありました。
当時、私が他の販売員より多くの甘栗を売ることができたのは、「商品を買ってほしい!」という自分の思いだけを押し付けるのではなく、「商品を通してお客さんにどんな気持ちになってほしいのか」というところまで考え抜いたからだと思います。このような思考は甘栗売りに限らず、日常生活で起こる課題を解決するヒントになるはずです。